「椅子と席とスペースと…」
- Day:2015.03.25 21:57
- Cat:独り言
- Tag:#X-E2#XF23㎜F1.4#夜

@六本木一丁目
「帰路と後ろ姿」
X-E2 XF23㎜F1.4
※写真をクリックしてみて下さい…よく写るレンズなのが分かります。
いつからそうだったのか分からないけど、実家のダイニングテーブルには「誰がどこに座るのか?」というそれぞれの”席”が明確に決まっていた。
「冒すべからず」という意味では「パパの席」が絶対的に不可侵で、帰宅が遅くて家にいなくても、出張で今日は帰らないと分かっていても、その席に勝手に座ることは許されなかった。
それは「パパ」が「お父さん」になり、やがて「オヤジ」になって「ジイジ」になっても変わらなかったし、何度かの引越でも変わらなかった。
「オヤジの席」というのは特別だった。
明確に「(パパの席なんだから)その椅子に座ってはダメ」というような事を言われたのか、それとも暗黙の了解だったのかも、今となってはもう分からない。
実家のダイニングテーブルの父を思い返すと不思議な事に父自身ではなく、座る主のいない空席の光景が浮かぶ。毎日夜遅くに帰宅し、家族サービスとは無縁だった昭和の正しい父親像そのものだったから。その父の残像は空席のダイニングと車の後部座席にスーツ姿で乗り込む後ろ45度からの姿だった。
どちらも「席」と「スペース」という言葉が重なり合っていたりするんだなぁ。